LAPPY CAFEで米粉ワッフルを堪能! 日本一周した夫婦が開店した元保養所のカフェ

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旅館大村屋の向かいに、昔保養所だった大きな建物があります。ここは現在では大村屋が「RIVER SIDE HOUSE」と銘打って、管理を行っています。

その保養所跡の玄関と大広間の部分を活用したカフェがオープンしたというのです。

大村屋・北川
日本一周を経験したご夫妻が開いているカフェです。現在、大村屋の湯けむりラウンジで提供しているモーニングコーヒーは、LAPPY CAFEさんの自家焙煎豆です。

確かに、朝飲んだコーヒー、美味しかったなぁ。あれが「LAPPY CAFE」さんのものなんですね。保養所でカフェというのも、どんな雰囲気になっているのか気になります。行ってみましょう!

嬉野橋で塩田川を渡った先にある、小さな曲がり角を右に曲がります。

かわいい看板が目印です。

細い道を歩いていくと……目線の下に大きな保養所跡が見えてきます。

その玄関先で営まれているのが「LAPPY CAFE」です。

玄関の小窓でコーヒースタンド形式で注文でき、テイクアウトはもちろん、店内でゆっくりメニューを楽しむこともできます。

元保養所なだけあって、大広間は十分な広さがあり、子連れの方でも過ごしやすい空間となっています。

時間がゆっくりと流れており、ここで飲むコーヒーの美味しさは格別です。

LAPPY CAFEのおすすめメニュー①コーヒー

LAPPY CAFEでは、自家焙煎のスペシャルティコーヒーが楽しめます。

ハンドドリップコーヒー 550円〜

スペシャルティコーヒーとは、雑味がなく、甘さや酸味、香り、口当たり、後味など、カップとしての品質が総合的に優れているコーヒーのこと。LAPPY CAFEでは、世界で流通するコーヒーのわずか3〜5%しかない、こうした高品質な豆だけを厳選して提供されています。

そんな選び抜かれた生豆を仕入れ、店主自ら焙煎を行っています。

コーヒーを注文するときは、豆を選んで注文します。自分のお気に入りのコーヒー豆を見つけてみてください。気に入った豆は購入することも可能です。

LAPPY CAFEのおすすめメニュー②ワッフル

プレーンワッフル(アイストッピング)700円

LAPPY CAFEのワッフルは、グルテンフリーの米粉を使ったもの。外はカリッと、中はモッチモチの食感でとっても美味しい!!

プレーンワッフルにハーゲンダッツのアイスクリームをトッピング。アツアツのワッフルにひんやりアイスが乗っかって、とろけていく。優しい甘さが口の中に広がります。

その余韻を堪能しながら、スペシャルティコーヒーをいただきます。ぼくが選んでいたのはコロンビア。うーん……最高です!

LAPPY CAFE開店のきっかけは日本一周旅行

店主を務めるのは、大久保尚弥さんと佳鈴さんご夫妻。開店の経緯について、尚弥さんにお話をうかがいました。

編集長・大塚
もともと飲食店をされていたんですか?
店主・大久保尚弥さん
いえ、もともと私は理学療法士で。妻は看護師として、佐賀市内で働いていました。2022年3月に退職し、妻と入籍して、日本一周の旅に出かけたのが開店のきっかけです。
編集長・大塚
うわ、全然想像していない返答がきた。……に、日本一周!?またなんで。
店主・大久保尚弥さん
10代の頃から世界を見てみたいと思っていて、世界一周に憧れがあったんです。でも、世界どころか日本国内にも行ったことのない場所がたくさんあるって気づきまして。それで、半年間の日本一周の旅に出かけました。
編集長・大塚
半年!!けっこう過酷ですね。
店主・大久保尚弥さん
自動車でゆっくり一周しました。日本一周は、人生観を根本から見直すきっかけになりましたね。

日本一周の旅で気づいた「幸せの見つけ方」

編集長・大塚
日本をぐるっと周ったくらいで、人生観なんて変わらないでしょ。
店主・大久保尚弥さん
いえいえ! 旅の方法一つでも大きな学びがありました。たとえば、最初の何週間かは、「日本絶景100選」のような情報を参考に目的地を決めて移動していたんです。
天橋立でパシャリ
店主・大久保さん
でも、ずーっとナビで目的地を設定してそこに向かうだけっていうのに、飽きちゃって。
編集長・大塚
そんな暮らしをしたことがないので、考えたこともなかったけど……。たしかに何週間もナビで設定したところに行くだけっていうのは、飽きるかも。
店主・大久保さん
そこで、旅のスタイルを変更しました。目的地を設定せずに、走りながら面白そうな店を見つけては立ち寄り、地元の人と会話を楽しむようになったんです。
編集長・大塚
へぇ、するとどうなりました??
店主・大久保さん
思いがけない出会いや発見が次々と生まれるようになりました。旅が格段に面白くなりました。日本一周をしている他の旅人たちとのコミュニティも形成されれきて、様々な価値観に触れる機会が増えていったんです!
編集長・大塚
たくさんの人達との出会いで、人生観が変わっていったんですね。
店主・大久保さん
特に印象的だったのは、山梨県で富士山を眺めながらコーヒーを飲んだ時の体験です。
Instagramより
店主・大久保さん
自分たちで入れたコーヒーを飲みながら美しい景色を眺めているだけで、これ以上ない幸せを感じることができたんです。その時、幸せとは何かを求めることではなく、今ある状況に感謝することなのだと気づきました。
編集長・大塚
おお、シンプルで、重みがありますね。自由な時間、旅を続けてきたからこそ、たどり着いた答えですね。そして、そのきっかけはコーヒーだったとは。

鹿島のカフェを嬉野に移転させた理由とは?

編集長・大塚
富士山を見ながらコーヒーを飲んだ経験が、カフェを志したきっかけになったんでしょうか。
店主・大久保さん
旅を通じてコーヒーが好きになったのは間違いないですが、それが直接的なきっかけではありません。日本一周を終えて、佐賀に帰ってきてから、偶然「鹿島市の廃校でカフェをやらないか」というお話をいただきました。それが「LAPPY CAFE」のスタートです。
編集長・大塚
あっ、すでに鹿島で「LAPPY CAFE」をオープンしていたんですね。
店主・大久保さん
鹿島の「LAPPY CAFE」は、廃校の建物の老朽化の問題もあり、2024年12月でラストを迎えました。そして、2025年5月にこの嬉野の地で移転オープンしたんです。
鹿島のLAPPY CAFEにて
編集長・大塚
移転の地に嬉野を選んだのは、どういった理由があるんですか?
店主・大久保尚弥さん
実は将来、ゲストハウスをやりたいという夢があって。それで「宿泊業を学びたい」と考え、旅館大村屋さんでアルバイトを始め、嬉野に住み始めたことがご縁のきっかけです。
編集長・大塚
それで、そのまま嬉野でお店をやろうとまで思ったということは、嬉野というまちがとても気に入っているということですか。
店主・大久保尚弥さん
その通りです。特に、外から来た人を温かく迎え入れる地域の文化には感動します。2、3回顔を出しただけで常連のように声をかけてもらえ、挨拶を交わすのが当たり前の雰囲気があるんですよね。
編集長・大塚
それは、嬉野ならではの魅力ですよね。ぼくもひしひしと感じています。
店主・大久保尚弥さん
あとは、温泉街の歩いて移動できる規模感もいいですね。温泉街を歩いていると、知り合いと出会って、立ち話をするような日常的な交流があります。それも嬉しいですね。
編集長・大塚
これから嬉野でどんな存在でありたいと思っていますか?
店主・大久保尚弥さん
まずは、嬉野でコーヒーといえば真っ先に名前が挙がるような存在になること。そして、将来的には嬉野の魅力を伝える観光案内所のような役割を果たせるゲストハウスが運営できればいいなと思っています。
編集長・大塚
これからも夢に向かって頑張ってください。貴重なお話、ありがとうございました!

これまで嬉野の温泉街には本格的なコーヒー専門店がありませんでした。自家焙煎を行うようなコーヒー専門店ができた事自体が、嬉野にとって大ニュースなのです。

開店当初から、地元の人々の豆購入が想定以上に多くなっているそうで、コーヒーに対する潜在的な需要の高さを実感しているとのこと。このまま、地域の「おかかえ焙煎所」となって、コーヒーを切り口に地域に根づいていくはずです。

あなたもぜひ「LAPPY CAFE」のゆったりした空間でコーヒーを飲み「今ある状況に感謝する」ような幸せを噛み締めてみてください。そして、あのワッフル。ぜひ一度食べてみてほしいです。美味しかった……。

※掲載内容は、取材当時の情報であり、価格、営業時間、メニューなどは変更の可能性があります。現地でご確認ください。

執筆者
大塚 たくま
ライター。嬉野温泉暮らし観光Webガイド編集長。月に一度、嬉野温泉に宿泊した取材活動を2020年から継続中。