築100年超え!嬉野温泉のレトロな旧旅館で開業した「心ここに在りき」で飲んでみた

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シーボルトの湯、嬉野温泉公園のすぐそばにある、古い建物。これは元々、橋立旅館という旅館だった建物で、築100年を越えます。

そんな旅館跡に、カフェ&バーがあります。店名は「心ここに在りき」。独特ゥ……。旅館大村屋の北川さんの紹介コメントを見てみましょう。

大村屋・北川
旧橋立旅館の持つ、昔ながらの雰囲気とよくマッチしている居心地の良いお店です。楽園のような場所だと思いました。

楽園とまで言わしめるとは、一体どんな場所なのでしょうか。お店へ行ってみましょう。

心ここに在りきの旅館風情あふれるレトロな内装

旅館大村屋からシーボルトの湯を通過し、嬉野橋を渡った先に見えてくるのが旧橋立旅館跡の建物です。「心ここに在りき」は、この建物の1階で営業しています。

「朝ドラのセットみたい……」

昭和の建物がタイムマシンに乗って、そのまま令和にドカンと着陸したような内装。「レトロ」という安易な言葉では形容し難い。

それもそのはず、だって本当にこの建物は100年前の建物なのだから。

レトロなものに自然と馴染むインテリアが置かれている、ちょうどいいバランスの店内。自分もこのお店の登場人物として、馴染んでいいんだと思える安心感があります。

この絶妙なバランス感覚は、店主である荒木眞衣子さんならではのセンスです。

荒木眞衣子さんを語り出すと、それだけで1記事を使ってしまいます。

ある時はジャズヴォーカリスト、ある時は食空間コーディネーター、ある時はMCという、才能あふれる女性です。

既に1記事使った記事がありますので、そちらをご覧ください。ジャズシンガーの顔の荒木眞衣子さんの姿がメインとなっている記事です。

>>田舎でもやりたいことはできる。嬉野のジャズシンガー・荒木眞衣子とは何者なのか

心ここに在りきのメニュー①温泉釜揚げカレーうどん

「心ここに在りき」のメニューの中で、オリジナリティがあって目を惹いたのが「温泉釜揚げカレーうどん」です。

温泉の釜揚げで、カレーうどんで、つけ麺形式……?いやいや、情報量が多い〜〜!

うどんは細めで、温泉で茹でた効果もあり、ふわふわでやわやわの仕上がり。そんな麺をコクのある味わいのグリーンカレーが包み込みます。

スパイスの香りの割にはそこまで辛さの強くない、マイルドなカレーがやわふわな麺とよく合います。まさか、本格的なレトロ感のあるお店でこんなに斬新な食べ物がいただけるとは……。

心ここに在りきのメニュー②有明海苔のおにぎり定食

有明海苔のおにぎり定食は、パリッとしていて芳醇な香り漂う有明産の海苔で巻いているおにぎりがメインの定食です。

提供されてすぐのパリパリの状態はもちろん最高ですが、時間が経って海苔の風味がご飯に染み込んだ感じもまた美味しい。

このおにぎりと一緒に楽しめるのが、これもまた絶品のアジフライです。

米油で揚げているので、通常のアジフライよりカラッと軽い仕上がりで、油の重い感じが一切ありません。中のアジはふわふわで旨みたっぷり。

アジフライを食べたら、おにぎりをガブリ。うん!美味いよ、そりゃあ。幸せです。心ここに在りき!!

心ここに在りきのメニュー③自家製カステラ

ザラメが宝石のように輝いています。きめ細やかな断面が美味しそう。自家製カステラです。

口に入れた瞬間「カレーうどん、アジフライ、おにぎりの後にカステラはやりすぎかも」というくだらない邪念は吹き飛びました。ふわふわでしっとり。そして、上品な甘さ。美味しい……。

このカステラと一緒にいただくのが、嬉野温泉コーヒーです。嬉野温泉水で生豆を浸してから焙煎した豆を使用しています。

コーヒー豆も温泉に浸かるのか。フルーティな甘い香りのコーヒーで、雑味がなくて美味しい。ふぅ、心ここに在りき……。

心ここに在りきのメニュー④魅力的なお酒のアテたち

心ここに在りきでは、ワイン、日本酒、瓶ビール、焼酎、ウイスキーなどのドリンクメニューがあり、お酒も楽しめます。

嬉野唯一の牧場であり、絶品チーズで人気のあるナカシマファームの味噌モッツァレラはワインはもちろん、日本酒や焼酎にもぴったり!

ビールなら、やっぱり雲仙ハムでしょう! マヨネーズと一緒ならよりいっそうビールが進むようになります。

ほかにも、うどんをカラッと揚げたスナックなどなど、様々なお酒のアテやおつまみメニューがありますので、ぜひ現地でチェックしてみてください。

「心ここに在りき」の店名の由来は? 込めた想い

店主・荒木眞衣子さん

ぼくがずっと気になっていたのは「心ここに在りき」という独創的な店名。いったい、どのようなアイディアでこんな店名になったのでしょうか。

荒木眞衣子さん
最近、誰かと話していても、自分が忙しくて「心がここにない」と思うことが多くて……。
編集長・大塚
あるあるですね。わかります。
荒木眞衣子さん
ヨガで「今に生きる」という教えを受けたとき、「あぁ、私は全然だめだ」と思ったんです。できてないなって。だから、せめてこのお店にいるときは「心ここに在りき」でいたいなと思って、名前をつけました。

とにかく「心ここに在りき」は、超レトロな非日常空間のように見えて、ホッと落ち着くような安心感があります。「ただいま」と言いたくなるような感じ。

周囲の温泉旅館に宿泊されている方、嬉野に移住された方。そこに地元住民の大人や子ども。みんながごちゃ混ぜになって、コミュニケーションを取れるような場所になっています。

大村屋・北川
サイズ感がちょうどいいんですよね。広すぎず、狭すぎず。
編集長・大塚
狭すぎると緊張するし、広すぎるとコミュニケーションは取れませんもんね。自然なコミュニケーションが生まれる、良い雰囲気です。
大村屋・北川
行けば美味しいものが食べられるし「誰かいるかも?」と思って、フラっと行けるような場所ができたのはすごく嬉しいです。
荒木眞衣子さん
ここで人との繋がりをつくってほしいという気持ちがありますね。お店に自由に入ってきてもらって、周りがお喋りしている中で仕込みをしている時間が、とっても幸せだとも感じています。
編集長・大塚
いいなぁ、そういうの。憧れます。人恋しいのかな、ぼく。
荒木眞衣子さん
いくら人と関わっても、どこか人恋しい部分があって。ここでは、お客さんと本来の自分で付き合いたいですね。

まさに「心ここに在りき」なインタビューでした。荒木さんのスタンスがお客さんにも波及することで、2つ目の自宅ができたような安心感があるのでしょう。

ぜひあなたも、あなたの心を取り戻しに行ってみてください。

※掲載内容は、取材当時の情報であり、価格、営業時間、メニューなどは変更の可能性があります。現地でご確認ください。

執筆者
大塚 たくま
ライター。嬉野温泉暮らし観光Webガイド編集長。月に一度、嬉野温泉に宿泊した取材活動を2020年から継続中。