嬉野温泉の足湯完全ガイド!無料で入れる4つの足湯を制覇

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嬉野の街中をブラブラと歩いていると、いろんな場所で足湯が目に入ります。

それもそのはず、約800メートル(徒歩9分ほどで歩ける距離)の間に足湯が3つもあるんです。最近は、嬉野温泉駅の目の前にも足湯ができたので、無料で入れる嬉野の足湯は全部で4つになりました。

早速旅館大村屋の北川さんからの紹介コメントを見てみましょう。

旅館大村屋・北川
足湯があるおかげで温泉街に人が集う!嬉野の温泉街には欠かせない場所です。ちなみに、私自身は足湯より全身でつかりたい派ですが……笑

今回はそんな嬉野のそれぞれの足湯の魅力をお伝えすべく、楽しみ方とおすすめポイントをまとめてみました。取材班の友人に足湯モデルとなってもらい、一緒に向かいました!これを読めばあなたも嬉野足湯マスターです。

嬉野で足湯に入る前に!基本的な入り方と準備するもの

嬉野温泉には全部で以下の4つの足湯があります。

各足湯を回る前に、より気持ちのいい足湯の入り方を確認してから向かいましょう。

温浴効果の高まる足湯の入り方

足湯の入り方としてのポイントは、以下のとおりです。

・しっかりとふくらはぎまでお湯に浸かる

・10〜20分くらいの時間で様子を見ながら足湯をする

全身に血液を送ってくれるふくらはぎが温まることで、足湯の効果を実感しやすいようです。また、足湯の温度は38~40度がベストですが、嬉野の足湯はどれも大体それくらいの温度が保たれるように調節されています。

足湯巡りに持っていくもの

・タオル
・バスタオル

とにかく、タオルです。できればバスタオルもあると、足蒸し湯に入るときに活躍します。もし、タオルを忘れてきても大丈夫!

足湯からすぐ近くにある嬉野交流センターで、オリジナルのタオルを買うこともできます。

嬉野交流センターで販売中の「あし湯タオル」300円(税込)

楽しむ準備ができたら、足湯巡りへと出発しましょう!

嬉野温泉の足湯ガイド①湯っつら広場

湯っつら広場

湯っつら広場の足湯は、嬉野商店街本通りの東側、和多屋別荘の近くにあります。

2021年の1月30日にオープンし、一般公募して出てきた愛称候補の中からサガテレビを通じて投票を募りました。1,000票を超える投票の結果「湯っつら広場」に決定。ゆっつらとは佐賀の方言で「ゆっくり、ゆったり」という意味です。

足湯にはテーブルが設置されているので、セルフ足湯カフェになります。ここでパソコンを広げて作業するのもいいかも。

撮影日に足湯を楽しんでいたカップルは、どこかのお店でテイクアウトしたお弁当を楽しんでいました。
足湯につかりながら食事……。最高ですね。

足湯のお湯は、日本三大美肌の湯である嬉野温泉。足がお湯でコーティングされたかのようにお湯が肌にまとわりつく感じがします。足湯から出た途端、もうスベスベです。

ちなみに、足湯の縁には、自由に動かせるスノコの椅子が置いてあります。固定されていないので、自分の座りたい位置に動かせるので便利です。地味だけど、嬉しいポイント。

足湯の隣にある、子ども用の足湯にも入ってみました。

大人が入ると、ちょうど足首くらいの高さになるような水かさです。中に入ってみて初めて気づいたことが!!

かわいい!!底にはカラフルな小石が敷かれていて、おしゃれです。ただ、立ち上がるとちょっと痛くて、足ツボのマッサージになりました。

湯っつら広場には、足湯だけではなく、手湯も設置されています。

手湯もまた、いいですね……。手がツルツルになり、体がポカポカしてきました。ハンカチさえあれば大丈夫なので、足湯よりも気軽に温泉を体験できるのでいいですね。

ちなみに、気になったこちらの鳥のオブジェ。嬉野が「うれしの」という名前になった由来である「白鶴」です。湯っつら広場の中に、伝説の説明があったので、ご紹介します。

(白鶴の伝説)

その昔、神功皇后が戦いの帰りにこの地に立ち寄られ、川中に疲れた羽を浸していた白鶴が、元気に飛び立つ様子をごらんになったのだそうです。そこで、戦いで傷ついた兵士を入れてみたところ、実はそこには温泉が湧いていて、たちまち兵士の傷が癒えたのだとか。それを大変喜ばれた皇后が、「あな、うれしの」と言われたことが、嬉野の地名の起源と伝えられています。

湯っつら広場の案内板より

なるほど!それで、白鶴がいらっしゃったんですね。伝説を知って足湯や温泉に入ると、さらに癒されます。

CHECK!
  • 足湯にテーブルが設置されていて便利
  • 子ども用の足湯がかわいい
  • 足湯だけでなく手湯・トイレと設備充実

湯っつら広場は、トイレもあり、設備が充実している点が魅力です。これでまずは1湯目。まだまだ、めぐていきますよ!

嬉野温泉の足湯ガイド②湯遊広場「シーボルトの足湯」

続いてご紹介するのは、湯遊(ゆうゆう)広場にあるシーボルトの足湯です。嬉野商店街本通りのちょうど真ん中あたりにあります。唯一の岩風呂スタイルの足湯です。

シーボルトの足湯は、嬉野の足湯の中ではもっとも古株で、2000年の10月にオープンしました。

西洋医学の発展に貢献したシーボルトがオランダ商館長の随行医師として江戸時代に来日し、嬉野温泉に立ち寄ったことにちなんで名付けられています。すぐそばにある公衆浴場「シーボルトの湯」も、同じ由来です。

「何か食べながら足湯に入りたい」と思い、足湯の前にある「食菜市場きはら」にて、いろいろ食べ物を買ってきました。「食菜市場きはら」については、こちらをどうぞ。

じゃーん!撮影時期にちょうど旬だったこともあり、美味しそうなイチゴを見つけました!

こんな食品サンプルかのような、佐賀県産の大きなイチゴがゴロゴロ詰まって、このときは1パック280円でした。安すぎる……!

さっそく、足湯に入りながらイチゴを頬張ります。甘くてジューシーで美味しい〜!!

続いて、きはらで購入したコロッケを。肉じゃがが詰まっているような味わい。嬉野商店街でビールやお酒などもテイクアウトして持ってきておけば、最高のおつまみになりそうです。

足湯に入りながら何かを食べるというこの背徳感。体はポカポカでお腹にも美味しいものが入って、多幸感が半端ない。

芋もちも食べちゃいました

我々がのんびりもぐもぐしている間に、お湯の温度が少し下がったのか、足湯の奥から急に熱めのお湯が出始めました。

CHECK!
  • 唯一の岩風呂スタイル
  • 嬉野の足湯でもっとも長い歴史
  • 周辺のお店で食べ物を買ってくるのもおすすめ

こうして定期的にお湯を足して、ちょうど良い温度になるよう調節してくれているんですね。

ゆっつら広場の足湯にもあった動かせるスノコが、シーボルトの足湯にもありました。こちらも固定されておらず、自由に動かせるので便利です。

嬉野温泉の足湯ガイド③湯宿広場

湯宿(ゆしゅく)広場は、2012年の4月にオープンしました。嬉野商店街本通りの西側、旅館大正屋の近くにあります。

湯宿広場の足湯は、バリアフリーに配慮して設計されています。車椅子に乗っている方でも、車椅子に座ったまま足湯に浸かることができるようになっています。

こちらが、車いすの方でも利用できるような設計になっている足湯です。出っ張っている部分に、車椅子に座った状態で、直接足を浸かれるようになります。

車椅子の方が入りやすいように配慮されたスロープもあります。

湯宿広場の特徴は、足湯のほかに足蒸し湯もあることです。

足蒸し湯は7人掛けで、ドーナツ上に取り囲むように座ります。

嬉野温泉の天然の温泉水を特殊な技術で高温のナノミストにし、そのナノミストを足湯のお湯の代わりに用いています。浸透力に優れているだけでなく、遠赤外線も放射されているため、熱が深部にまで浸透しやすいのが特徴です。

編集長・大塚
ここで絶対伝えたいのが、足蒸し湯の入り方だね。
取材班・みたとも
えっ、ただ足を入れるだけなんじゃ……?
編集長・大塚
これをやるだけで、温浴効果が全然違う!っていう、超重要なポイントがあるのよ。見た感じ、9割以上の人が実践していないので、この記事を読んでいる人には絶対に伝えよう。

な、なるほど……。

足蒸し湯に設置されている案内を見ながら入ろう

編集長の圧が強いので、足蒸し湯のところに置いてあった説明書を読みながら入ってみることにしました。

これでもっと温まる!足蒸し湯の入り方

①足蒸し湯に足を入れる

最初に膝小僧までズボンやスカートをあげます。フタを開けて、椅子に座って足を足蒸し湯の中に入れましょう。

②足にフタを被せる

次に、フタの近くに置いてある木の箱を膝の素肌が隠れるくらいまで被せます。このとき、箱の奥側を確認して、隙間が空いていないことを確認しましょう。

もし隙間が空いてしまっていたら、木箱の隙間が埋まるように椅子にもう少し浅く腰掛けます。

③バスタオルで隙間を埋める(超重要)

最後にバスタオルやタオルを折り畳んで、箱と足の間に挟み込み、足蒸し湯の蒸気が漏れないようにします。

編集長・大塚
これが超重要な工程です!

編集長がもっとも伝えたかったのは、この工程です。膝の上に折りたたんだバスタオルを乗せたら、箱でしっかり挟み込んでください。

バスタオルなどの分厚めのタオルを使い、しっかりと塞いだ方が蒸気が中に閉じ込められて、温浴効果が高まります。

④10分程度浸かる

実際にやってみると、「タオルを挟む」という工程の重要性を実感します。

タオルがないと、ただ暖かい蒸気の中に足を突っ込んでいるという感覚。ところが、タオルで蒸気の出口に蓋をすることで、ミストサウナ状態になり、しっかりと温まることができました。

CHECK!
  • 足湯には車椅子の方への配慮
  • 足蒸し湯もあって面白い
  • 足蒸し湯はタオルで蒸気を塞ごう

最後に、湯宿広場の由来が書いてあったのでご紹介します。

嬉野温泉の歴史は古く、「肥前国風土記」(713年)には「東の辺に湯の泉ありて能く、人の病を癒す」と記されています。1656年に佐賀浦和藩の藩営浴場として湯治場が整備されると、シーボルトをはじめ多くの外国人が立ち寄り、当時の様子を詳しく書き記しています。幕末の時代に彼らが見た、近代嬉野温泉の発展の基礎となった藩営浴場の建屋の一部を現代風にアレンジし、当時”嬉野湯宿”と称されて大いに賑わったこの場所に、”湯宿広場”として整地しました。 

湯宿広場内の案内板

嬉野温泉の足湯ガイド嬉野温泉駅西口駅前・足湯公園

最後にご紹介するのはこちら!新幹線開通に合わせて2022年に作られた、嬉野の足湯の中では一番新しい足湯です。嬉野温泉駅目の前にあり、温度は40~43℃に保たれていて、疲れた体に染み渡る暖かさです。

ここの温泉のおすすめポイントは、嬉野温泉駅からとても近いことと、足湯の横の足場です。

この足場がどこの足湯よりもとっても広く作ってあるため、足湯に入る時と上がる時に靴下の脱ぎ履きやタオルで拭くなどの作業がやりやすいんです。

足場に使われている木の肌触りがとっても気持ち良く、いつまでも触っていたい触り心地。

旅の余韻を足湯で
CHECK!
  • 足場が広くてゆったり
  • 嬉野温泉駅のそばにある
  • 旅の始まり・終わりを足湯で

こちらの足湯、駅に着いて最初に入っても良いですが、個人的なおすすめは旅の終わりに入ること。

宿をチェックアウトして、お土産などを買いながら街をブラブラすると、前日に温泉に入っていても、疲れは溜まりますよね。

新幹線の時間よりも少しだけ早めに駅に着いて最後にここで足湯に入って帰るだけで、旅の疲れが全然違います!嬉野を楽しんだ最後にこちらの足湯に入って、最後まで癒されて帰ってくださいね。

嬉野に来たら、足湯も楽しもう!

足湯には、主に冷え性改善・リラックス効果・不眠解消・むくみ改善・免疫力アップなどに効果があると言われています。

そもそも、足は体の中で最も下にあるため、老廃物がたまりやすいのだそう。だから、足湯に入ることで、足裏から老廃物が排出されたり、血液のポンプであるふくらはぎが温まることで、全身の血行が促進されて代謝が上がるんですね。

もともと足湯は、病気や怪我などでお風呂に全身浸かることが難しい方のための入浴法として、医療や福祉の現場で活躍しているものなのだそうです。お風呂に全身浸かると、水圧も全身にかかってしまい、それが負担になってしまう方もいます。

その点、足湯は足にしか水圧を受けないため、身体にあまり負担をかけずに入ることができるんです。身体に負荷をかけず、代謝アップもできるなんて足湯の良さ恐るべし……!

今回撮影の際に、取材班も足湯に浸かりながら各場所を歩き回ったのですが、全然足が疲れない!体がずっとポカポカ!末端冷え性のスタッフも夜寝る時まで足がずっとポカポカでここ最近で一番安眠できたと言っていました。

仲の良い人たちと語り合うも良し、じっくり1人で堪能するも良し、嬉野の美味しいものを飲んだり食べたりしながらまったりするも良し。ぜひ街歩きをしながら、皆さんのペースでそれぞれの足湯の魅力を楽しんでみてくださいね。

※掲載内容は、取材当時の情報であり、利用時間などは変更の可能性があります。現地でご確認ください。

執筆協力・写真:みたとも

編集:大塚たくま

執筆者
大塚 たくま
ライター。嬉野温泉暮らし観光Webガイド編集長。月に一度、嬉野温泉に宿泊した取材活動を2020年から継続中。