嬉野温泉酒蔵まつり体験レポート!ほろ酔い夜市まで堪能してみた

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嬉野温泉では、毎年3月下旬(土・日曜日)に「嬉野温泉酒蔵まつり」が開催されています。

大村屋・北川
嬉野の3つの酒蔵が会場となる酒蔵まつりです。嬉野温泉街では夜には「ほろ酔い夜市」も開かれ、そちらも必見です!

酒蔵まつりにほろ酔い夜市……。なんだかとても楽しい1日になりそうなので、行ってみることにしました。

「嬉野温泉酒蔵まつり」とは

嬉野温泉酒蔵まつりは、佐賀県嬉野市で毎年3月下旬の土日に開催されています。嬉野の地で、地域の酒造文化を広く伝えることを目的に始まり、2026年で第12回を迎えました。

嬉野・塩田地区には、3つの酒蔵が点在します。嬉野エリアの井手酒造、塩田エリアの瀬頭酒造・五町田酒造です。酒蔵まつりの日は、これらの酒蔵が一斉に門を開き、新酒をはじめ各蔵自慢のお酒の試飲・販売を行います。

ふだんはなかなか足を踏み入れることのできない酒蔵の中を見学できる貴重な機会です。杜氏や蔵人との会話を楽しみながら、酒造りへの情熱や地域の風土を肌で感じられます。

瀬頭酒造での販売風景

また、各蔵では酒蔵まつり限定の3蔵セット販売(数量限定)が行われています。蔵の垣根を超えた、飲み比べにはぴったりの特別商品です。

嬉野温泉酒蔵まつり①嬉野エリア「井手酒造」

嬉野温泉の温泉街の中心部に構える老舗酒造である井手酒造は、創業明治元年(1868年)です。

代表銘柄は清酒「虎之児(とらのこ)」「千里を走る虎のように名を広め、虎が我が子を思うように長く愛飲してもらいたい」という初代・井手與四太郎氏の願いから名づけられました。佐賀県外にはほとんど出回らない地元密着のお酒で、しっかりとした甘みのある飲み口が特徴です。

酒蔵の中へ入ると、お酒の試飲はもちろん、ノベルティグッズの販売や食べ物が販売されていました。

ちなみに、井手酒造は杜氏をはじめ、蔵人は全員がお茶農家でもあります。春から秋は嬉野茶を栽培し、冬の短い期間だけ酒を醸すというユニークなスタイルを守り続けています。

また蔵には温泉が湧き出ているため、酒瓶の洗浄にも温泉水を使用するなど、嬉野の風土がそのまま酒造りに息づいています。現在は六代目社長・東敦子さんが率い、三代にわたって女性が経営する稀有な蔵としても知られています。

酒蔵内ではマルシェも開催されていました。ぼくは息子たちと来ていたので、さっそくソーセージなどを購入して、楽しませていただきました。

ちなみに酒蔵内には立派なお座敷があり、窓からは嬉野温泉公園の満開の桜が見えました。風情のある窓枠と相まって、絶景です!

当日は井手酒造だけではなく、嬉野温泉商店街全体で盛り上げられていました。筆者が参加した際(2026年)の状況を少しレポートします。

嬉野の老舗菓子店「橋爪菓子舗」では「ふくさ包み」の調理風景が公開されていました。

この「ふくさ包み」の作業風景はインスタグラムでも大きく拡散して、話題になりました。息子もあんこが包まれていく職人技に夢中。ずーっと見ていられますね。

https://www.instagram.com/p/C3PbOFfrL6h

嬉野の子どもたちが店員を務めるマルシェも開催されていました。歩いているだけで楽しくなる雰囲気で、子どもたちとも商店街探索が楽しめました。

嬉野温泉酒蔵まつり②塩田エリア「瀬頭酒造」

ここからは塩田へ移動します。塩田までは無料のシャトルバスが出ていました。

嬉野市塩田町の静かな田園地帯に構える瀬頭酒造は、創業寛政元年(1789年)。230年以上の歴史を持っています。

代表銘柄は清酒「東長(あずまちょう)」です。大正9年(1920年)、法人化を機に第19代内閣総理大臣・原敬が「酔い心地のさわやかさとおおらかさは東洋の王者にふさわしい」と評して命名しました。

さらに終戦直後の昭和20年(1945年)には、GHQ総司令部主催のパーティーでマッカーサー元帥の目に留まり、GHQの指定商品となったこともあるそうです。


「東長」最大の特徴は、米の味わいを生かした上質でやさしい甘みです。

試飲会場でも、多くの来場者がこの「東長」の甘みを堪能していました。

酒蔵の中には、酒造りの「酒蔵資料展示室」があり、自由に見学できるようになっています。道具のスケールの大きさにびっくり。

昔の酒造りは、今以上に大変だったのではないかなと想像を膨らますことができました。

瀬頭酒造でも、マルシェが行われており、家族連れで賑わっていました。お酒を飲みながら飲食を楽しめるようになっています。

嬉野温泉酒蔵まつり③塩田エリア「五町田酒造」

瀬頭酒造に、隣接するのが五町田酒造です。

五町田酒造は、大正11年(1922年)、瀬頭酒造から分家して創業しました。蔵人自らが米作りから携わることが特徴です。「米の旨みを表現した酒」を信念に、昭和63年(1988年)から酒米・山田錦の自社栽培をいち早く開始しています。

蔵の周囲には田んぼが広がっており、栽培した酒米は自社精米し、吟醸クラスは特製の竹ザルを使って蔵人が手洗米するなど、米の旨みを引き出すための手仕事を今も大切にしています。

代表銘柄は「東一(あずまいち)」です。「東洋一の酒を目指す」という志から命名され、佐賀県内はもちろん、全国に愛飲者を持っています。

仕込みは低温長期発酵の吟醸造りにこだわり、熊本酵母をもとに自家培養した酵母でじっくりと発酵させます。

「人、米、造りが一体となって良酒を醸す」という蔵の信念が凝縮された「東一」の試飲、販売はとても盛り上がっていました。

会場ではあまざけと、酒粕を使ったお味噌汁が振舞われていました。あまざけはまろやかで甘く、芳醇な味わいで、かなり満足感のあるものでした。

我が家の子どもたちにもあまざけを試してもらいましたが、あまりのお酒の芳醇な味わいにちょっとびっくりした様子。大人の味わいだったかもしれません。来年になったら飲めるかなあ……。

3つの酒蔵を廻り終えた我々。実はスタンプラリーにも参加していました。3つの酒蔵のスタンプを集めるとガラポン抽選会に参加できます。今回は嬉野茶をいただきました。帰って、ゆっくり楽しもうと思います。

嬉野温泉 ほろ酔い夜市へ

塩田の酒蔵探訪を楽しんだぼくらは、またシャトルバスで嬉野温泉街へ戻ります。

旅館大村屋でお風呂に入って一休みした後、ぼくらは「嬉野温泉 ほろ酔い夜市」へ。取材した2026年が初開催でした。

会場は嬉野温泉商店街。3つの足湯広場を中心に、さまざまな催しが行われていました。3つの各足湯では、3酒蔵の限定酒の角打ちが楽しめます。

まずぼくらが向かったのは、「湯っつら広場」。嬉野ディスクジョッキー実業団のDJや、ライブ演奏などが行われています。さらには食べ物を販売するテントも出ていました。

生演奏が珍しかった子どもたち。アコースティックライブを目の前に陣取り、全力で楽しんでくれました。

次は「シーボルトのあし湯」がある「湯遊広場」へ行ってみましょう。

移動している途中、なんだか賑わっているなと思ったら、東一の販売店である三根酒店のクラフトビール販売でした。ここでビールを購入して、歩きながら飲むのもいいですね。

「湯遊広場」に到着すると、見覚えのある顔が……。

大村屋・北川
「SPA’z」です!宜しくお願いします〜!

旅館大村屋の北川健太がギターを持って演奏していました。この足湯でも演奏が行われているのか……。どちらのステージもまちの方によるバンド演奏が行われていて、ちょっとした音楽フェスです。

「湯宿広場」では、嬉野ディスクジョッキー実業団が陽気な音楽を流し続けてくれていました。こちらでも、ちょくちょくライブ演奏が行われていたみたいです。

酒蔵まつりと夜市を一緒に楽しむのがおすすめ

CHECK!
  • 嬉野温泉エリアと塩田エリアの3つの酒蔵を廻れる
  • 嬉野温泉と塩田は無料シャトルバスで便利
  • 夜は嬉野温泉のほろ酔い夜市を満喫

それぞれ別々の3つの酒蔵を廻ったわけですが、どの酒蔵も温かい雰囲気で居心地が良く、別会社とは思えないような一体感がありました。

全体を通じて「来た人に楽しんでほしい」というおもてなし精神に溢れていて、あったかい気持ちになったことが印象に残っています。

そして、嬉野温泉へ戻ってからの、夜の商店街を彩る光と音楽、そしてまたお酒。歩いているだけで楽しい、日常の延長線上にあるような「ほろ酔い夜市」でした。

執筆者
大塚 たくま
ライター。嬉野温泉暮らし観光Webガイド編集長。月に一度、嬉野温泉に宿泊した取材活動を2020年から継続中。