嬉野温泉には様々な飲食店があるものの、嬉野温泉駅前は飲食店が少ない状態が続いていました。そんな中、なんと武雄の老舗ラーメン店「来久軒」の創業者の息子さんが、駅前に『来久軒うれしの』を開店。
- 大村屋・北川
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来久軒さんは、家族みんな大好きなラーメン屋さんです。わざわざ武雄まで行っていたのに、嬉野温泉駅前にできるということで、楽しみにしていました。
実は筆者も「来久軒はうまい」と、様々な方からうかがっており、何度も武雄のお店に伺おうとしたことがありました。しかし、いつもすごい行列。たいてい思い立った日は時間のないことが多く、断念していたんです。
今回は、開店前のプレオープンに伺いました。ついに来久軒のラーメンが食べられます。嬉しい。
カフェのような外観の「来久軒うれしの」

「来久軒うれしの」は、嬉野温泉駅前にあります。大きな三角屋根と木の柱が目印。カフェのような外観で、初めて見た人はラーメン屋だとは思わないかもしれません。

入口には、赤い「来」の文字が入った白い暖簾がかかっています。すっきりとした現代的な建築物に、昔ながらのラーメン店を思わせる暖簾が映えていました。新しいお店でありながら、長く続いている来久軒らしさも感じます。

店内は柱や梁が見える造りで、天井が高く、大きな窓から光が入ります。カフェのような空気感の中に、赤い丸椅子が並ぶ感じが、新鮮です。

そうこうしているうちに、おいしそうなラーメンがやってきました!
「来久軒うれしの」の卵入りラーメンを実食

卵入りラーメン 950円
今回、いただいたのは「卵入りラーメン」です。麺の姿が全く見えないほど、深く白濁しています。
スープをひと口すすって、驚いたのは、豚骨の旨味がこれほど濃厚なのに、臭みがないことです。なんて、洗練されたスープなのでしょうか。ポタージュスープを飲んでいるかのようにクリーミーで、コース料理の一品のような上品さを感じました。
卵を崩すことで、よりいっそう優しくまろやかな味わいになります。

さらに印象に残ったのは麺です。表面はツルツルで、すすったときの喉越しがよく、噛むと弾力があって、もっちりしています。

シコシコとした麺本来の歯応えもあり、小麦の風味も感じられ、麺そのものの旨味をしっかり味わえます。九州の豚骨ラーメンで、このようなツルツルシコシコな麺は珍しい。
濃厚なスープに、この麺が合う。スープを飲む楽しみと、麺を食べる楽しみが、どちらもある一杯です。

ついついスープに偏って注目してしまいがちな、豚骨ラーメン。麺もスープの両方をしっかり楽しめる、嬉しい進化を感じました。

味変には、テーブルに備え付けられた「ガーリックパウダー」を。上品なスープにちょっとジャンクさが加わって、これがまた美味しい!ぜひ試してみてください。
| メニュー | 並 | 大盛り |
|---|---|---|
| ラーメン | 850円 | 1,000円 |
| 卵入りラーメン | 950円 | 1,100円 |
| チャーシューメン | 1,000円 | 1,150円 |
| 特製ラーメン | 1,100円 | 1,250円 |

店舗は食券制で、キャッシュレス決済も利用可能です。
来久軒と縁のある嬉野で、創業当時の味を目指す

「来久軒うれしの」の店主・奥哲郎さんは、武雄の「来久軒」の創業者を父に持ちます。
じつは来久軒は嬉野との縁があります。創業して間もない頃、武雄の店舗の営業が終了した後、夜間のみ嬉野で間借り的に営業していた時代もあるそうです。
哲郎さんは、そんな来久軒と縁のある嬉野の地で「来久軒うれしの」をスタートさせます。

嬉野での店づくりにあたり、哲郎さんが目指したのは「武雄の創業当時の味」でした。当初は武雄の店舗と同じ材料や作り方を考えていましたが、目指す一杯に近づけるため、麺やスープの仕込み方を見直していきました。

ラーメンを盛る器には、嬉野の肥前吉田焼を採用。持ってみると、陶器なのに軽くて、持ち上げやすいつくりです。ラーメンを通じて、肥前吉田焼の品質の良さにも触れられます。

使い込んだような風合いですが、器には「うれしの」の文字。肥前吉田焼きの224さんによって、今回の開店に合わせてつくられたものです。

麺は、武雄の店舗とは異なるものを使っています。哲郎さんは製麺所を何軒か回り、大久保製麺に依頼。のどごしがあって、もっちりした食感の麺とスープとの相性を確かめながら、「来久軒うれしの」専用の麺を作り上げました。

厨房の奥には、グツグツ煮えたぎる、豚骨スープの釜が2つ。武雄の店舗では3つの釜を使って「新」「中」「古」のスープを合わせていますが、哲郎さんは開店するにあたって、仕込み方を見直しました。
自分が納得できる一杯を作るために、2つの釜で仕込む方法を選択。仕込む量や火力を調整し、何度も試作を重ねて、目指す味を追求しました。

ようやく納得できる味にたどり着いた今も、哲郎さんは「100点はない」と話します。これからも釜や厨房と付き合いながら、よりよい一杯を探していく。その追求は、開店後も続きます。
目指したのは創業当時の味。ただ、筆者には「進化した豚骨ラーメン」とも感じられました。その印象を強くしたのが、ツルツルとした喉越しともっちりしたコシを備えた「専用麺」です。
大久保製麺に聞く「来久軒うれしの」専用麺ができるまで

「来久軒うれしの」の麺を手がけた大久保製麺では、哲郎さんが求める食感とスープとの相性を探りながら、半年ほどの期間をかけて、約20回の試作を重ねました。
開発で重視したのは、喉越しのよさと甘み、コシ。そして、濃厚な豚骨スープと合わせたときのバランスです。大久保製麺代表の大久保常明さんは「ラーメンは麺も主役」と話します。スープの味だけが際立つのではなく、麺を食べる楽しみもある一杯を目指しました。
その食感を作るために、うどん作りにも通じる製法を取り入れています。生地を練る際に真空にし、含まれる空気の量を調整。常明さんは、空気を抜くことで生地の結びつきが強まり、コシや伸びにくさにつながると説明します。
ただ、空気を完全に抜くと、麺にスープが乗らなくなるデメリットもあります。麺のコシだけを追求すると、スープとの絡み方が変わってしまうのです。そこで、生地の空気をどこまで抜くかを微調整し、喉越しと食感、スープとの相性を両立させています。
大久保製麺が目指したのは、柔らかく見えてもコシがあり、噛むと歯切れのよさを感じる麺。スープを邪魔するえぐみや癖を抑え、麺の甘みも楽しめるように仕上げました。
麺を届けに来た際に、厨房で汗びっしょりになりながら、懸命に試作を続ける哲郎さんの姿も見てきたそうです。店主がスープを追求し、製麺所がそのスープに合う麺を作る。双方が試行錯誤を重ねて、今の一杯ができました。

ツルツルとすすれて、噛むともっちり。食べたときに印象に残った麺の食感には、こうした工夫がありました。筆者が「進化した」と感じた理由も、製麺会社視点のお話を聞けたことで腑に落ちました。
「来久軒うれしの」が嬉野の日常に根付いていく

- CHECK!
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- 創業者の息子さんが嬉野へ出店
- クリーミーで臭みのないスープは絶品
- 大久保製麺と作り上げた専用麺がのどごし抜群
何度も行列を前に断念していた来久軒のラーメン。嬉野でようやく食べられた一杯は、濃厚な豚骨スープだけでなく、麺の旨味と食感まで印象に残るものでした。
哲郎さんが目指したのは「創業当時の味」。単に再現をするのではなく、よりおいしいラーメンを目指し、スープの仕込み方を見直し、大久保製麺と専用麺を作り上げた熱意には感服しました。
哲郎さんは「まずは嬉野の地元の人に喜んでもらいたい」と話します。日々の昼食や夕食に来久軒のラーメンがある。嬉野に新たなラーメンの選択肢が増え、既に地元民はワクワクしています。
今回紹介した暮らし観光
来久軒うれしの
- 住所
- 佐賀県嬉野市嬉野町大字下宿甲4761番地6
- 営業時間
- 11:00~15:00
17:00~20:00 - 定休日
- 月曜日(祝日の場合は火曜日)
※仕込みの都合により、不定期で火曜日が休みになることがあります。
※不定休はInstagramでご確認ください。 - 公式Instagram
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※掲載内容は、取材当時の情報であり、価格、営業時間、メニューなどは変更の可能性があります。現地でご確認ください。